無添加シャンプーの定義


無添加シャンプーの定義はありません。

したがって、香料だけを無添加にして、無添加シャンプーと謳(うた)ってもいいわけです。

ですから、無添加シャンプーと書かれていれば安全、などと考えるのは愚の骨頂です。

以下の成分表は、「着色料、香料、防腐剤、品質安定剤」無添加を謳っている、あるアミノ酸系シャンプーの成分表記です。

成分の説明書きもメーカー表記のままです。

水(ベース成分)
DPG(保湿成分)
コカミドプロピルベタイン(植物性洗浄成分)
ココイルグルタミン酸2Na(植物性アミノ酸系洗浄成分)
スルホコハク酸ラウレス2Na(植物性洗浄成分)
グリセリン(保湿成分)
セテアレス-60ミリスチルグリコール(ベース成分)
トリイソステアリン酸PEG-160ソルビタン(ベース成分)
ココイルグルタミン酸Na(植物性アミノ酸系洗浄成分)
PCA-Na(保湿成分)
コハク酸ジエトキシエチル(保湿成分)
ポリクオタニウム-10(植物性コンディショニング成分)
クエン酸(ベース成分)


たとえば、ポリクオタニウム-10(植物性コンディショニング成分)はコーティング剤で、シリコンの代わりのようなものです。

クエン酸(ベース成分)は、PH調整剤です。

セテアレス-60ミリスチルグリコール(ベース成分)は、乳化剤・増粘剤です。

確かに「着色料、香料、防腐剤、品質安定剤」は無添加で、嘘偽りのない良心的な商品だと思いますが、説明書きの表現は若干ごまかしている感じはあります。

無添加にこだわるなら、何が無添加で、何が無添加ではないのか、確認してから商品を選びましょう。


表示指定成分の無添加


「表示指定成分」が入ってないことで、無添加シャンプーと謳っている商品は多いです。

表示指定成分とは、昭和40年代に厚生省が定めたアレルギーなどの皮膚障害を起こす可能性のある成分です。

安息香酸、クレゾール、サリチル酸、フェノールなどなど、消費者に注意を促すために102種類が選定され、それらが配合されているシャンプーなど化粧品類は、成分表示がメーカーに義務づけられました。

しかし、2001年の薬事法改正により、全成分を表示することが義務化されているので、表示指定成分という表現は少しおかしなものになっており、「旧・表示指定成分」と表現される場合もあります。

いずれにしても、表示指定成分が無添加だから安全というわけではなく、他の代替成分は添加されているということを忘れてはいけません。


防腐剤の無添加


防腐剤の一つであるパラベン(パラオキシ安息香酸エステル)は、なんだかんだと悪者にされている感があります。

パラベンフリーで無添加シャンプーと謳っている商品も多いです。

しかしパラベンは無添加でも、他の防腐剤が入っていたらどうですか?

また、防腐剤が一切無添加なら、それでいいのですか?

防腐剤なしでは、シャンプーは湿気のあるお風呂場においておけば、雑菌が繁殖して、そのうち腐ってしまいます。

それをそのまま使用したら、かなり危険です。

防腐剤が無添加のシャンプーの場合、冷蔵庫で保存するよう指定されていたりします。

このようなことをしっかり理解したうえで、防腐剤無添加のシャンプーを利用してください。


合成界面活性剤の無添加


合成界面活性剤の「合成」という言葉も、悪者扱いされています。

かつてよく利用されていた、泡立ちがよく洗浄力が強い、分枝鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムや直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムという界面活性剤は、頭皮や髪にも強すぎるし、生分解性が悪く環境を悪化させるということで悪者にされました。

これらが「合成洗剤」と呼ばれている影響で、「合成」という言葉が悪者になっているようです。

石鹸洗剤と対比されることが多く、石鹸洗剤は安全なのに対して合成洗剤は安全ではないというのです。

これは正しくもあり、間違いでもあります。

分枝鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムよりも、石鹸のほうが安全なのは確かです。

しかし、合成の全てが石鹸より危険かというとそんなことはありません。

そもそも間違いなのは、石鹸は「天然」ではなく「合成」です。

石鹸は、「天然」の油脂(COOH)から、化学反応によりナトリウム塩(COONa)やカリウム塩(COOK)を「合成」し、界面活性剤にしています。

油脂は油(あぶら)であって、油は泡立ったりしません。

界面活性剤という化合物にすることで、泡立ちが良くなり、汚れに吸着して汚れを水溶化させ、洗い落とすことができるのです。

ですから石鹸は、天然由来の成分を利用しているというだけで、天然洗剤ではなく合成洗剤です。

アミノ酸シャンプーも、天然ではなく合成です。

天然アミノ酸シャンプーと謳っているものは、天然由来の成分を利用してアミノ酸系界面活性剤を「合成」しています。

世の中のほとんどのシャンプーは、「合成」界面活性剤が配合されています。

ですから、合成界面活性剤が無添加などというシャンプーは、ごく一部を除き存在しません。